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Bancolトークンが狙う仮想通貨為替プラットフォーム化

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バンコールの開発意図

バンコール(Bancol)はICO売り出し時点で史上5番目という大量の資金を集めて話題になったトークンだ。でも期待されていたほど値が伸びず、初値が最高値という、まるでジャスダックやマザー新興銘柄IPOを見るような展開だ。現状は最高値から50%程度の安値で取り引きされている。

 

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しかしブログ主の理解する限りバンコールの狙いは、仮想通貨界全体を巻き込んでマイナーな通貨にも流動性を提供し、イーサリウムを基軸通貨とする仮想通貨為替プラットフォームを構築することにある。

そのため短中期向きの投資対象というより長期的な成長を見守るべき銘柄である。

価格自動決定メカニズム

実際、バンコールで新規トークン(以下、バンコールの呼び方に合わせてスマートトークンという)を発行する者は、一定割合をバンコールネットワークに準備預金としてリザーブしなければならない。このリザーブはイーサリウム建てであり、イーサリウムとの兌換性を保証することによりスマートトークンの信用を担保する仕組みだ。

このリザーブは貨幣の信用保存機能を代表し、スマートトークンが交換手段機能を代表する。スマートトークンの売買によってリザーブ内の通貨量が変動する。

このとき、スマートトークンと他の仮想通貨(任意のコインやトークン)の交換レートは、リザーブ内のイーサリウムの増減を通じて自動算出され、瞬時に交換が実行される。つまり、スマートトークンに価格自動算定式が埋め込まれていて、売買注文をスマートコントラクトに送ると価格が決定し、コントラクトが実行され、流動性の有無とは関係なしに売買が成立するのである。

この価格自動決定機能を通じた流動性の促進がバンコールの肝と言える部分である。

マイナー通貨への流動性の提供と欲望の二重一致問題の解消

流動性の罠と呼ばれる問題は、ビットコインやイーサリウムのようなメジャー通貨には当てはまらないかもしれないが、メジャー通貨とマイナー通貨(仮想地域通貨やオルトコインなど)の間、あるいはマイナ通貨同士においては大きな障害となる。

この障害は、売り手の買いたいものと買い手の売りたいものが偶然一致する確率が低い、物々交換における "欲望の二重一致の問題" の事態に似ている。

通貨交換にマイナー通貨が絡むと、売り手と買い手の提示する価格に大きなスプレッドが開いたり、あるいはそもそも売買注文自体があまり存在しなかったりして、通貨取引が膠着してしまうからだ。

このためバンコールは自動的に値決めをして取引所などの第三者を介さず実行してあげれば、流動性と欲望二重一致の問題を一気に解消できると考えたのだ。

そのことによりマイナー通貨に市場アクセスの機会が広がる。そうなるとマイナー通貨の細かな取引がロングテール[1]として利き始め、メインストリームのイーサリウムやビットコインの取引も活性化する。その結果、メインストリームの信用が高まると同時に、サブストリームも存続していけるという理想的な仮想通貨経済圏(エコシステム)が生まれる。

[1] wikipediaによれば、
"「オフライン小売店」と呼ばれる従来型の店舗を構えた形態の販売店では、商品棚の容量や物流上の制限などで売上げ成績の良い売れ筋商品を主体に販売するよう努め、売れ筋以外の商品(死に筋商品)は店頭に並べられないことが多かった。

しかし、アマゾン社などのオンライン小売店は、無店舗による人件費と店舗コストの削減に加えてITの利用による在庫の一元化やドロップシップの導入などによる物流コストの極小化を進めた結果、従来型の小売店の制約に縛られず、普通に考えれば年に1個、またはそれ以下しか売れないような商品まで顧客へ提供することで、店舗を構えていたのでは実現不可能な大きな販売機会の取り込みを可能にした。

このようなITを駆使した新たな物品販売のビジネスモデルを説明する時に使われるのが「ロングテール」である。" とのことだ。

 このロングテールの概念を仮想通貨に当てはめると、ビットコインやイーサリウムなどのメジャー通貨が売れ筋商品に当たる(アマゾンではこのような商品が売り上げの8割を占めるそうだ)。

これに対して、マイナー仮想通貨は Wikipedia にある "死に筋商品"に相当する。特定の客には売れるが全体としては在庫から排除されてしまうような商品群である。でも、これらの商品は流行に左右されにくく、長期的には大きな売り上げにつながる。

仮想通貨の場合も長期的にはマイナー通貨がニッチ市場で普及することで仮想通貨のエコシステムの裾野が大きく広がるのである。

 

ホワイトペーパーの抄訳

完全にボランティアになるが、日本語化されていないホワイトペーパーの冒頭部分をなるべく噛み砕いて日本語でお目にかけようと思う。直訳すると何を言っているかわけわかめなので、翻訳というより翻案に近いかもしれない。その点はあらかじめご承知いただきたい。

  出典は "Bancor Protocol" である。

バンコールプロトコル(Bancor Protocol)

摘要:バンコールプロトコルはEthereumプラットフォーム上に、スマートコントラクトを実行するスマートトークンのネットワークを構築するための標準規約である。

スマートトークンの一定割合は、バンコール内のコネクタにリザーブされる。コネクタは単一または複数のトークンで構成可能である。

バンコールの通貨交換は、スマートトークンと、コネクタ内のトークンの交換によって実行される。この際の価格は、スマートトークンに内蔵の自動価格算出メカニズムが売り買いボリュームの調整によって決定し、スマートコントラクトの実行を通じて瞬時に売買を成立させる。

The Bancor Protocol
Abstract:
The Bancor Protocol™ enables the creation of networks of smart contract-based “Smart Tokens™.” Smart Tokens™ hold balances of one or more other tokens--“Connectors”--and have a builtin autonomous conversion mechanism that allows any party to instantly purchase or sell the Smart Token™ for one of its Connectors, directly through the Smart Token™ contract, at a price calculated by a formula which balances buy and sell volumes.

既存のトークン、仮想通貨、地域通貨の場合、その流動性の悪さが共通の悩みの種だった。バンコールはスマートトークンを通じて以下の3つのレベルでこの問題を解決可能である。

  • 最も基本的なレベル:スマートトークン自身に流動性を持たせ、交換先の通貨や取引所の流動性に左右されない換金の仕組みを提供することができる。
    個々のスマートトークンはコネクタに自動換金できる機能を持ち、その発行量に制限はない。買い需要が拡大すれば、スマートトークンの供給量を増やして対応できる。
  • 第二のレベル:特殊なスマートトークンを使用して、2つのスマートトークン間の相互換金(あるいは機能拡張すれば、スマートトークンと既存のEthereumトークン間の相互換金)を実現する。
  • 第三のレベル:これはバンコールの最終目標となるが、個人や自営などのユーザーや仮想地域通貨の運用者が共通のコネクタを持つスマートトークンを発行し、Ethereumネットワーク内の任意の通貨と換金できるプラットフォームを実現したい。手始めにバンコール自身の試みとして、共通コネクタBancor Network Token(BNT)を発行し、バンコールネットワーク内で流通させる予定である。

 バンコール・プロトコルは、第二次世界大戦後の世界経済安定のため、ケインズが提案した超国家的通貨バンコールの名にちなんで命名された。

Bancor believes that Smart Tokens™ can address the challenge of liquidity faced by conventional tokens, cryptocurrencies, and community currencies on three levels.
  • First, and most fundamentally, by being autonomously convertible for their Connectors, and with an unconstrained supply that grows in response to purchases, each individual Smart Token™ has built-in liquidity that does not depend on counterparties or exchanges.
  • Second, Bancor has developed specialized Smart Tokens™ that enable inter-convertibility between any two other Smart Tokens™ or, with an added step, between any Smart Token™ and any conventional Ethereum network token.
  • Third, Bancor’s ultimate vision is that users will create their own tokens and community currencies in the form of Smart Tokens™ that hold a common Connector, enabling any Smart Token™ in the network to be converted into any other. Bancor’s own Smart Token™, BNT, is the common Connector in the first such network, which we call the Bancor Network™.
The Bancor Protocol™ is named in honor of the Keynesian proposal to introduce a supranational currency called Bancor to systematize international currency conversion after WWII.