世界の宗教心:欧州・東アジアは脱宗教、アメリカは際立って宗教保守
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世界各国の宗教心
以下のグラフは、「生活(人生)において宗教は非常に重要だと思う人の割合」を国別に示しています。
(出典:PEW Research Center)
高%を「宗教保守」、低%を「世俗的」と呼ぶなら、以下のような傾向が見られます。
- 東アジアの日中韓は際立って「世俗的」である。
- 白人国家ではフランス、オーストラリア、ロシア、イギリス、スペイン、ドイツ、ウクライナ、イタリア、カナダの順で「世俗的」である。欧州の主要国はほぼ「世俗的」といっていい。
- カソリックのお膝元イタリアは欧州内では「宗教保守」度が高いが、それでもわずか26%。十分宗教離れが進んでいる。
- 逆に白人系国家のなかでアメリカは53%と際立って「宗教保守」度が高い。非白人系の移民の影響を考えても、この数字は世界の中央値にほぼ等しい。
- ユダヤ教発祥のイスラエルは34%でかなり「世俗的」。
- イスラム教世界ではトルコの56%が最も「世俗的」。
- ヒンドゥー教・仏教を生んだインドは80%でアジアのなかでは極めて「宗教保守」度が高い。
- グローバル化といえばアメリカを意識してしまう日本人は、アメリカが白人国家のなかでも際立って「宗教保守」な国であることを認識すべきでしょう。
欧米比較
下の図は宗教態度の欧米比較です。この統計を見てもアメリカが頭抜けて「宗教保守」の国であることがわかります。
(出典:PEW Research Center)
中段がキリスト教徒のデータ、右段が特定の宗教を信じない人のデータで、両者の総合が左段にまとめられています。ここでは左段を見てみましょう。
質問は4つあります。
Q1. 宗教は生活において非常に重要・・・西欧諸国11%、アメリカ53%
Q2. 月に最低一度は礼拝など宗教サービスに参加する・・・西欧22%、米50%
Q3. 毎日お祈りをする・・・西欧11%、米55%
Q4. 100%神を信じている・・・西欧15%、米63%
アメリカの宗教事情
神の存在を確信する人口が63%というのは現代のいわゆる先進国において驚くべき数字だと思います。別の統計では、確か、アメリカ人の4割しかダーウィンの進化論を信じていないと言います。
参考サイト:
アメリカでは大統領選挙においても宗教団体は最大の支持母体かつ利権集団です。たとえば、トランプ大統領自身はカルヴァン系の長老派(スコットランド発祥)ですが、圧倒的信者数を誇る福音派(evangerical)を無視して政権維持は考えられません。