E.N.R. クリプトモネダス

"Everybody Needs A Retreat." - 雑記帳

無神論と不可知論ってどこがどう違うの?

f:id:btcmatters:20190122211459p:plain

カタカナで「アグノスティック」を画像検索すると、こんな強面の方々がドバーッと出てきます。この面構えは欧米人の「神に対する緊張感」をよく示しています。


あちらでの「脱宗教」化の重み?

日本ではありえないことですが、英語圏で暮らしていると、折に触れ、宗教を意識させられます。

神に対する態度を決めないと、まともな人間と見なされないし、社会の評価も得にくいです。極端な話、就職や結婚にも差し支えます。

そのせいでしょうか?

人が神についてどんな考えをしているかについては、日本の雨を表すボキャに似て、うるさいくらい違うことばがあります。今回は、この神に関することばの違いを説明しようと思います。

  • あちらでの「脱宗教」化の重み?
  • 無神論者(atheist)と不可知論者(agnostic)
    • 無神論者の定義
    • 不可知論者の定義
      • 不可知論者をあぶりだすテスト
    • 途中のまとめ
    • 不可知論的無神論者vs不可知論的有神論者
    • 不可知論者ではない人vs無神論
    • 無神論者に対する偏見
  •  メンドくさい議論だが・・・まとめ
    • 信(atheist vs theist)と知(agnostic vs gnostic)の問題
  • グノーシスについて

 

続きを読む

コロナショック02:オセロ返しで "社会主義化" する世界

「violence human history」の画像検索結果


格差は「暴力」でしか解消しえない

人口統計学を駆使した『暴力と不平等の人類史』(ウォルター・シャイデル著)なる本がある。さわりを勝手に紹介すると・・・

 

人類の富は放っておけば偏在する方向へ動き、貧富の格差が臨界点に達すると戦争、革命、国家崩壊、疫病などが起きて、その都度、格差が解消される。だが平和になるとまた富の集中が始まる、人類はこれを繰り返してきた。

 

富の偏在は「暴力」でしか解消しえない。この指摘は身も蓋もない。自由主義でも民主主義でもいいが、人間が脳みそで描いた理念やイデオロギーなど何の使い物にもならない、とのご託宣なのだから。

 

続きを読む

コロナショック01:死を思いだした先進諸国

今回から新型コロナウイルスCOVID-19現象の世界史的意義について所感を書き連ねたい。今回はその第一弾。

「新型コロナウイルス covid 19」の画像検索結果

 

続きを読む

日本的シンクレティズム:神は運動なり

f:id:btcmatters:20190206103840p:plain

鵺の像(兵庫県西脇市長明寺)


日本という国は知れば知るだけ不思議が深まる国です。たとえば、日本人の宗教感覚を西洋的な概念で捉えようとするとわけがわかりません。日本の「かみ」とはいったい何なのかという基本さえ、簡単には掴めない・・・むかしだったら鵺(ぬえ)のごとき怪物め、というところです。

 

今回は書きかけたままほこりをかぶっていた原稿を少し手直ししたものをお目にかけます。

 

 

続きを読む

EUは究極のミスマッチ:追いつめられているのはUKではなくフランス

ãnotredame fireãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ


今回ノートルダムが燃えたとき、いよいよフランスが切羽つまってきたな、という感想を持ちました。イエローベスト運動封じのために政策転換を試みたマクロン大統領。その大一番の芝居を打つ日に聖地に炎上されてしまうという筋金入りの疫病神。

これでフランスは「詰んだ」と言えるのではないでしょうか?

続きを読む

アメリカの信仰の現状と歴代大統領の出身教会

アメリカは宗教的な国家で、統計上アメリカ人の9割近くは何らかの超越的な存在を信じ、約8割はキリスト教の神を信じている、といいます。今回はその内実を見てみたいと思います。

続きを読む

一神教はセム翻訳を介した東西アーリア思想の融合?AIは新たな時代の終末論?

f:id:btcmatters:20190205185658j:plain

一神教って東のペルシャ思想と西のギリシャ思想がセム思想を経由してできた宗教かな?という仮説を持っています。

今回は前回のゾロアスター・ショックの話の続編です。

続きを読む

悪魔はペルシャ人の創作?一神教は非農耕民アーリア人とセム人の合作

f:id:btcmatters:20190130013758p:plain

きれい、きたない。いい、悪い。好き、嫌い。

...人間は二元論が好きというか、クセです。宗教も同じです。

悪魔は神さまの敵として「発明」されました。いちばん最初に発明したのは誰かわかりませんが、西洋に(したがって世界に)多大な影響を与えたという意味では、ペルシャの宗教家ザラスシュトラ(BC1400-1200年の人)が最有力候補です。

彼の始めたゾロアスター教ユダヤ人には激甚なカルチャーショックでした。そのショックがユダヤ教、ひいてはキリスト教に引き継がれ、人類を進歩へ進歩へと駆り立てる道を用意しました。

続きを読む

ヒトラーの炯眼と日本の使命

 

世界が着々と "彼ら" の手に堕ちつつあるとき、ヒトラーは寸毫の肯定的評価も与えてはならない人間の筆頭です。

 

é¢é£ç»å

 以下、『ヒトラーの遺言』から引用しますが、どうか俗流ヒトラー悪魔論の色眼鏡を外して読んでみてください。この稀代の政治家の炯眼は近代史全体を透徹し、はるか現代の趨勢をも正確に見通していたことがわかります。なお、引用文中の強調は引用者によるものです。

続きを読む

NHKが期せずして扱う思想対決:ハラリ vs ガブリエル

NHKはなにか「旬」を取り扱う場合、評価の確定した「旬」しか取り上げません。

ãyuval harariãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

この年末年始の教養系番組のラインアップを見ると、NHKの制作陣は歴史家ユヴァル・ハラリと哲学者マルクス・ガブリエルを旬の若手思想家と見なしているようです。

ãmarkus gabrielãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

これは期せずして面白いなと思います。人類史を大きく動かしたヘブライズムと大陸哲学の現代的バトルかもしれないからです。

続きを読む

AI、AIというけれど結局それは軍事技術のヘゲモニー争い

f:id:btcmatters:20181128231258j:plain


兵頭ニ十八さんという軍学者の説は面白いです。以下のAI時代に関する記事をお読みください。

続きを読む